NAS NW276 高Ni耐食合金用素材
特徴
NAS NW276は酸化性、還元性の両雰囲気において、優れた耐食性を有するNi-Mo-Cr鋼です。この合金はC、Siを低減する事により、熱影響部の炭化物析出を抑え、耐食性向上を図っています。このような特性から化学プラント等の厳しい環境下の材料に広く用いられております。
化学成分
単位 (%)
- | C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Mo | Fe |
実績例 | 0.003 | 0.01 | 0.51 | 0.008 | 0.0005 | Bal | 15.4 | 16.6 | 5.6 |
適応規格
ASTM B575 / UNS N10276
ASME SB575 / UNS N10276
JIS H4551 / NW0276
機械的性質
- | - | 0.2%耐力 (MPa) |
引張強さ (MPa) |
伸び (%) |
硬さ (HRB) |
実績例 | 熱間圧延材 板厚 14mm | 372 | 763 | 71 | 83 |
熱間圧延材 板厚 12mm | 319 | 738 | 76 | 83 | |
冷間圧延材 板厚 2mm | 366 | 785 | 61 | 86 |
耐食性
NASNW276の耐食性の一例として、強酸+酸化性環境である沸騰Green death溶液*中でのすきま腐食試 験結果を示します。NASNW276は本溶液中でもすきま腐食の発生はなく、優れた耐食性を有します。
*Green death溶液:7%H2SO4+3%HCl+1%FeCl3+1%CuCl2
試験条件:沸騰(105℃)、24時間浸漬、テフロン製マルチクレビスによるすきま形成